2009年台北マラソン参加レポート

台北マラソン感想文 山田 敦(21KM)

 稽古不足を幕は待たない、、、歌の文句じゃないですが今回のマラソンもそんな感じでした。自転車レースのツール・ド・おきなわが終わった11月中旬からのたった1ヶ月で仕上げようという手前勝手な魂胆にそもそも無理があったようです。自己流トレーニング1ヶ月計画の半分を過ぎた12月初旬にヒザが痛くなり、本番前の2週間はほとんど走れず終い。代わりに天母周辺の山を歩いて特に弱いヒザの関節や周辺の筋肉を鍛えたつもりです。練習不足のまま本番を走らなければならない不安を少しだけ和らげてくれたのが金哲彦さんの「体幹ランニング理論」。体幹を意識した正しいフォームが身に付けば故障知らずにどんどん遠くまで楽に走れるようになるというもの。マラソン解説でおなじみの金哲彦さんは藤井一博さんの先輩に当たる早稲田競争部OB。もう少し早くこの情報を知りたかったな。

 マラソン当日、気温13度、曇り、無風の絶好のコンディション。金哲彦メソッドだけを頼りに正しいフォームとイーブンペースを心がけて市政府前をスタート。前半の飛ばしすぎがたたり後半失速した昨年の反省から今年は時速10kmのゆっくりペース。ヒザへの負担を軽くして最後まで走り続ける作戦。というか今年はそれ以上のスピードでは全く練習していないので実はこれが精一杯のペース。

 10km(忠烈祠)の通過タイム58分はまずまず予定通り。ところがやっぱり練習はウソをつかない。練習での最長距離12kmを越えた辺りから右足が怪しくなってきて、ヒザ、足首、足の付け根と痛みが負の連鎖反応。15kmからは走っては止まりの繰り返し。スピードが遅いので寒さも感じるようになってきて、テンション下がりっぱなし、ああ情けなや。終盤の基隆路地下トンネル、自分たちの脇を白バイの先導でまさにカモシカのように駆け抜けていったフルマラソン1位の黒人招待選手。自らのショボい走りとのあまりの違いに「果たしてこれが同じ人間か?」、その走りのあまりの美しさに素直に感動を覚えた自分です。

 最後の1kmは不思議と足の痛みも消えて淡々とフィニッシュゲートを走り抜けました。残念ながら昨年よりも13分遅い2時間9分47秒というまるでフルマラソンのような記録に終わりました。それでも走りきれた満足感と爽快感は今年も格別でした。練習不足がわかっていたので自分としては納得の走りです。また、体幹ランニング理論のおかげで走ることが楽しいと感じられるようになったのは大きな収穫でした。走れない時の天母、陽明山での山歩きも楽しかったし。2010年は自転車レースだけじゃなく、1年を通じてランニング、ウォーキング、山歩きなどいろいろやって普段からいつでも走れるカラダを作りたいと思っています。そして年末の台北マラソンを自然体で迎えられたら良いですね。果たして自分にそれができるかな?

 一緒に走った佐藤さん、松尾さん、藤井さん、ありがとうございました。佐藤さんの完全イーブンペースでのフルマラソン完走はスゴイと思います。松尾さん、よくぞフルマラソン時間内完走されましたね。(正直、難しいのではと思っていました。失礼!)藤井さん、これからも厳しい指導で私たちダメランナーに早稲田競争部伝統の走りのDNAを注入してください。そして会員のみなさん、来年はぜひぜひ一緒に走りましょう!

台北マラソン 参加レポートU 2009年編「初フル」 松尾 岳(42.195KM)

【前回:2008年編のあらすじ】
誘われるがままにハーフマラソンに初挑戦。二ヶ月の地道な練習後、台北都市観光気分で足の痙攣にも負ケズ感動のゴール。制限ぎりぎり2時間47分の苦闘であった。

【この一年 〜フルマラソン初挑戦へ】
非公認団体「マラソン部会」に加入。仲間と林森でランニング談義にふける。21kmを三度完走し、満を持して今回フルマラソン初挑戦。早大競走部の元エース、藤井氏とも幸運に知己を得て、長距離走の真髄について示唆をいただく。

【事前練習】 
週数回5〜10km程度を自主練習。週末は基隆河畔を台北から淡水までの25km走など、ライバル佐藤貴仁さんと過酷な合同訓練に耐えつつ、体の内側から汗で浄化するランニングの気持ちよさを実感していた。

【2009.12.20 運命の当日・スタート前・序盤】
早くから目が覚め、3時間前4:00に食事。寒いのでタイツ着用。スタート地点で仲間と合流。がトイレに並んでいる間にスタート発砲の声を聞いてしまった・・。昨年以上の混雑・大盛況。体の暖まるのが遅い私は、ゆっくりと人混みなりに走っていった。

【中盤】
山田会長お勧めの「体幹ランニング」が効果を発揮。肩甲骨内側の力を抜いて動かすと自然と足が前に出る。長丁場に集中力が途切れ、つい走りもいい加減になるが丁寧にフォームを修正。目をつぶって走り内的感覚に集中してみたりした。

【終盤】
30kmすぎ足が痙攣!(昨年は12kmだったので一応進歩)、ヨロヨロ懸命に走るが、大股で歩く人にまで追い越され笑えた。支給のチョコレートが顎にしみる程ウマい。バナナも食いまくった。
間もなく交通規制を解くと警官が急かしてくる。なんとか最後の仁愛路に入ると涙腺と体が震えた。
・・・制限ぎりぎり5時間17分。初の42.195kmの闘いが終わった・・・。

【完走後感想】 
はるか早くにゴールした仲間は見当たらず、参加賞豚肉弁当をもらって帰る。生活に難儀なほど強烈に腰が張るが、翌日にはほぼ回復。これも鍛錬の成果だと自信になった。
日々こまめに鍛えて、また再びこの「走りの祭典」に参加したいと思っている。
(2010年編へ続く)

台北マラソンレポート 1997年政経卒 藤井一博

はじめまして、2009年4月に台湾へまいりました、早稲田大学競走部OBの藤井と申します。
この度、松尾さんから強いお誘いを受け、2001年3月に現役を引退して以降、約9年ぶりにハーフマラソンに参加しました。
10月末に、松尾さん、佐藤さんとご一緒に、ゆっくり1時間程度ジョギングをすることからはじめましたが、はじめは正直きつかったです。その後、現役時代をイメージしながら(イメージだけ)、週3日くらいの練習を何とかこなし当日をむかえました。感触としては、「1km4分ペース(ゴールは1時間25分)でいければ万々歳かな」という感じでした。

【スタート前後】
久しぶりの高揚感。スタート直前の緊張感は本当に快感。やっぱりクセになります!

【〜5k地点】
とにかくランナーが多いです。広い仁愛路を右に左に、少しでも前へ。

【〜10k地点】
練習不足からか、左ふくらはぎが若干肉離れ気味。ごまかしながらどうにか前へ。

【〜15k地点】
途中、左ふくらはぎを「ほぐす」ため、2回立ち止まるも、何とか先へ進めそう。

【〜ゴール】
20k前後のトンネルで本当に苦しくて歩きたくなりましたが、無事ゴールへ。

<結果>1時間26分22秒(87位)(ちなみに現役ベストは1時間3分20秒)

途中立ち止まったことを考えれば、目標に近いタイムで走ることができました。順位は予想よりも後ろでしたので、台北マラソンのレベルはかなり高いと思います。

走り終わっての印象は、とにかく「楽しかった」ということです。
私なりに感じた台北マラソンの魅力は、

・ 応援がすばらしい! 応援の皆さんも歌ったり踊ったり楽しそう。
・ 台北市内中心部がスタート&ゴール! スタート、ゴールが共に中心部のレースは意外と少ないです!
・ 市民大道を走れる! 高速道路を走れるレースも少ないです。本当に貴重な体験です。
・ 日本のように堅苦しすぎない! 台湾独特のちょっぴりゆるい感じがほどよいリラックスにつながります。

などです。
10km、2kmといったFun-Runもありますので、普段走っていない方も、是非一度参加されることをオススメします。ぶっつけ本番でOKです。

市民ランナーとして走ることの楽しさを味わえたことは、私にとって大きな意味があったと思っています。あらためまして、このようなきっかけを作っていただいた、松尾さんをはじめ、皆さんに感謝いたします。私の経験でお役にたてることがあれば、できるかぎり皆さんにお伝えしていきたいと思います。

2009年台北マラソンレポート 佐藤貴仁

 ちょうど一年前、この「台北マラソン」で、生涯初のマラソンレースに参加しました。ハーフマラソンでしたが、その時は誘われるがままにエントリーし、ほとんど練習もしないまま、ましてや21kmなどという距離も走ったことがないまま、当日を迎えたことを今でも覚えています。しかし、そんな軽い気持ちでスタートしたにも関わらず、フィニッシュした時の思ってもみなかった爽快感が、私を目覚めさせました(と同時に、自身に潜む自虐性を垣間見た瞬間でもありましたが)。走る楽しさを覚えてしまったのです。

 そして迎えた2009年の台北マラソンでは、調子に乗ってフルにエントリーしました。暖かかった去年とは打って変わり、寒風吹きすさぶ天気の中を走ることになりましたが、その位がちょうどよかったのかもしれません。レース後半になってもそれほど体力が消耗しておらず、また、松尾さん、藤井さんとの練習の成果もあったのか、思いの外、足もよく動きました。という訳で、30km過ぎてからは行けるところまで行こうと思い、ペースを上げて走りました。しかし、さすがに40km近くになると、何度も足が攣りそうになりましたが、あとちょっとだと自分に言い聞かせ、気を紛らわせるために、完走後に何を食べようかなどと思いを馳せながら、堪えて走り続けました。

 結果は4時間12分00秒で、自分としては満足のいくタイムであり、次は3時間台を狙うという目標もできました。しかしそれよりも、フィニッシュした瞬間の爽快感を今回も味わうことができたのが、一番の大きな喜びでした。「2010年台北マラソン」は山田会長はじめ、更に多くの仲間と共に参加し、完走の爽快感と喜びを分かち合うことができたらと思っています。

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