2008年台北マラソン参加レポート

2008年12月21日(日)、快晴。
台北市政府前7時スタートにて台北マラソンが開催されました。

競技は距離別で行われ、総勢12万人が台北の街を走りぬけました。年々参加者は増加しているそうです。
(健康ブームは自転車だけではありません)

稲門会では昨年に引き続き参戦。
今回はチーム「紺碧之空隊」を結成し、ご友人を含め7名の選手がそれぞれハーフマラソン及び9KMの部門で、見事完走を果たしました。

選手より感動のレポートが届きましたので、ご紹介します。(事務局)


台北マラソンハーフ21kmを走り終えて 山田 敦
 ≪市政府→仁愛路→中山北路→円山飯店→忠列祠→内瑚科学園区→堤頂大道→麥帥二橋→市民大道→信義地下トンネル→信義路→光復南路→仁愛路→市政府≫ これがハーフマラソン21.098kmのコース。スタートからゴールまですべてが国際都市台北を代表する絵になる風景ばかり。都市景観の美しさという点で全くスキがない完璧なコースと言えるのではないだろうか。どれも普段クルマで走りなれた道ではあるが今回、自分の足で走り、ランナー目線で眺めてみて、台北が非常にプレミアムな街であることを改めて実感できた。これだけでもこのマラソンを走る価値は十分ある。

 しかし、21kmという距離は予想以上に厳しく苦しかった。1週間前に練習の仕上げで天母−北投往復14kmを走ったのがこれまでの人生最長不倒距離。だから後半3分の1は未知の世界。10kmくらいから重くなってきた足が最後はまるでネジの外れたブリキのロボットのような最悪状態。何とか目標タイムの2時間を切りたい、と残りの距離と時間を頭の中で計算し続けることで苦しさを紛らわせた。最終盤、永遠に続くのではないかとも思えた信義地下トンネル、出口の長い上り坂で一人の女性ランナーに抜かれた。この人、自転車レースともだちの李小姐。自転車も強いがマラソンも実に走りが軽やか。残り1km、李さんに元気をもらって少しだけペースアップ。彼女の背中に引っ張られるように無事ゴールゲートをくぐった。

 記録1時間56分41秒、どうにか目標は達成できた。ゴルフで言うと何とか100は切れたというレベルかな。去年9km、今年21km、じゃあ来年は、、、まあそれは絶対にありません。自転車レースを始めた時は初戦からどっぷりはまったのに。ランニングは依然として苦手科目のまま。あまりに苦しかったので来年は何の未練もなくあっさり現役を引退するつもり。「紺碧の空隊」監督に就任し、若手、後進の指導に専念する予定、、、とか何とか言いながらまた走るくせに。

 今回、稲門会メンバー3人にその友人3人、合わせて6人が「紺碧の空隊」として出場し全員が無事完走できた。スポーツを通じて友達の輪を広げること。これはすごく楽しいし、自分が今もっとも大事にしていることかもしれない。レース後、「まずはビールだろ。」と6人+1(山田の自転車仲間)で繰り出した復興南路おかゆ横丁。テーブルいっぱいの台湾料理とメンバー全員の笑顔。この日のビールのうまさは走った者にしかわからない。来年は台北マラソンに稲門会から一人でも多くの仲間が集うことを願うばかりだ。


☆11月中旬、松尾岳さんと二人でこっそり淡水プチ練習会をやったのですが、この日のビールがまたうまかった。こういうの、来年は景色のよい場所を選んで時々やりましょうか。希望者、連絡ください。

2008台北マラソン 参加レポート 松尾 岳
 昨年より、微妙なメタボに危機を感じて登山などを始めていましたが、さらに少し「無茶な」チャレンジをまた敢行してみたいなー、という気持ちを持っていたところに、山田さんから誘われ、勢いで21kmのハーフマラソンへの参加を表明してしまいました。
  
 走りきれるか??という危機感や、周囲の人の無理じゃないの?という心配が、日々の訓練の動機付けになり、わりにまめにトレーニングしてきました。

 当日は、冬の台北では珍しい快晴。気持ちよく抜けた青空の下、朝の少しひんやりした風を受けながらの走り。台北の町並みもいつもよりさわやかに、くっきりと目に迫ってくる不思議な感覚でした。
 
 完走を目標に、前半はかなり押さえ気味に、時速7kmくらいをめどに走り、周囲のランナーから追い越されるばかりでした。

 子供・老人・外国人、いろーんな人や犬(ゼッケン付!)が走っており、その観察をしながら観光気分の最初の仁愛路5kmでした。
 
 5kmを過ぎてから、人が空いてきたので少しペースをあげましたが、8kmくらいの橋の手前で足と腰に張りを感じて・・・(-_-;) 立ち止まりストレッチ。

ストレッチをすると、かなり疲れの「アク」が取れたような感じで気持ちいい!しかし10km過ぎて、右太ももが痙攣一歩手前になってきたので、またストレッチをし、たびたび立ち止まるようになりました。

 水の補給は、毎回休憩がてら止まって飲んでいました。お菓子やバナナもあったので、しっかり毎回頂戴しました!意外にウマかった!最後は救急医のマッサージまで、受けてまさにフルサービス状態でした。

 途中、市民大道ですれ違ったフルマラソン選手の驚異的なスタミナと速さにかなりの尊敬の念を感じました。ほんとすごいね彼らは!

 ・・・なにはともあれ事前の作戦通り、リタイア制限ぎりぎりの3時間以内で21km無事完走。結果タイムは2時間47分

  
 準備期間の本当に走りきれるかという、緊張感、危機感、徐々に体力がついてくる実感も含めて、楽しむことが出来ました。
 
 最終コーナーを回ったときは、足の痛みと疲れが、体から「ぶっとんぶ」ほど感動でした。
 ゴール前では、とっくに走り終えたチームのみんなに手を振りました。チーム内ではドン欠の癖に、ちょっと英雄気分! 台北のアンデルセンと呼んでください。

 チーム「紺碧」のみなさん、お待たせしてすいませでしたー!
 また走りましょうっ。
(2009年編へ続く)

2008年台北ハーフマラソンに参加して 小島 仁
【レース前】
これまでの約10年間、定期的にトレーニングをしてサッカーを楽しむなど、体力には自信があったので、自分の実力を試してみようと思い参加した。ジムに毎週2回通い、毎回2時間の筋トレと10キロ走のメニューをこなしており、準備は万全だと勝手に思っていた。目標タイムは1時間40分に設定。

【スタート〜5キロ】
参加者が非常に多く、前が詰まってしまい、自分のペースで全く走れなかった。いつもランニングマシンの上を、同じペースで走ることに慣れていたので、かなりストレスを感じた。数えきれない人たちを追い抜いた。

【5〜10キロ】
集団がばらけてきて、やっといつもの調子で走れるようになった。周囲の景色を眺める余裕も生まれ、前を走るランナーを追い抜くのが気持ち良かった。気温も走るのにちょうどよかった。「沿道の応援が日本より熱烈だな〜」と感じながら走った。ここまで48分。

【10〜15キロ】
ここからは未経験の距離だった。アスファルトの上を走ることにも慣れていなかったため、徐々に両足のふくらはぎが痙攣してきた。しかし、目標タイムは何としてもクリアしたかったので、痛みをこらえてペースを落とさないように、懸命に走り続けた。もう景色を楽しむ余裕はなくなっていた。

【15キロ〜ゴール】
両足ふくらはぎの痙攣がピークに到達。ついに我慢できなくなり、途中で1回走るのを止めてストレッチをした。足がつって転倒しそうなくらい状態は悪かった。特に上り坂の時は痙攣がひどくなった。ここで歩き始めたら目標タイムには絶対に届かなくなるので、早く終わってほしいと考えながらあきらめずに走った。
ゴールが見えてきたとき、ラストスパートをかけたかったが、足がついていかず転んでケガをしないようにするのが精一杯だった。ゴールタイムは、目標をやや下回る1時間40分30秒。

【レース後】
ふくらはぎが痙攣しないように変な走り方をしたため、ゴール直後、両足の太ももがひどい筋肉痛になった。苦労して走っただけに充実感・達成感は大きかった。チャンスがあれば、また挑戦したいと思った。ただし、あんなに苦しい痙攣と筋肉痛はもう経験したくないので、ランニングフォームを研究して足に負担がかからないように準備してから、次回は臨みたいと思った。事前にアスファルトの上を走る訓練も必要だと感じた。
レース後、参加した皆さんと、昼食をとりながらお話しすることができたのも楽しかった。運動後のビールは最高においしかった。

2008 台北マラソンに参加して 佐藤貴仁
 11月初旬、稲門会から送られてきた「台北マラソン団体申込みのお知らせ」のメールを見た瞬間、ピンと来るものがあり、何も考えずに半ば勢いでハーフマラソンに申し込んでしまったのが運のツキでした。もちろん、「勢い」とは言いつつも、大会までの1ヶ月半にみっちり練習することを想定しての申込みであったことは事実です。

 しかし、元来の怠け癖から何だかんだ言い訳をしては練習をサボり、結局、その間に走った回数はたったの3回ほど…。以前、大安森林公園で定期的にジョギングをしていた時期はあるものの、10キロ以上は未知の世界であり、果たして21キロを走りきれるのか、大会が近づいてくると共に、(自分の怠惰は棚に上げて)不安が大きくなっていきました。

 前日は大学の恩師が来台、夜遅くまで飲んだせいで、寝不足+二日酔い気味ではありましたが、思いの外、体調は悪くありませんでした。しかも、当日は清々しく晴れ渡った青空で気分もよく、前日までの不安はどこへやら、自然と気持ちが高まっていきます。スタート時には大勢のランナー達の歓声や応援の声も加わり、まさにお祭り騒ぎといった様相の中、アドレナリンを体内に滾らせ、興奮につつまれての走り出しとなりました。そのまま暴走したい気持ちを抑えつつも、人が多いため、思うように走れないことで、逆に冷静さを取り戻し、とにかく前半はこの流れのままゆっくり行こうと決めて走りました。

 「9キロ」にエントリーした走者達が折り返す4.5キロを過ぎてからは、人も少なくなり徐々にバラけていきました。気温も上がり始めていましたが、少しずつペースを上げても大丈夫だと思い、ちょっと先を行くランナーに狙いを定めて追いかけたり、快調に走っている人をペースメーカーに見立て、怪しく後ろに付いたりしながら走っているうちに、10キロ地点を通り過ぎました。そこからは未知の領域ではありましたが、体に変調をきたすことはなく、淡々と走り続けることに多少飽きつつも、やがて河を渡る橋に差し掛かりました。そこで上りがあったのですが、さすがにこの頃から暑さも手伝ってか疲れが見え始め、遠目に見る台北101の姿に癒されながらも、あの辺りまで走るのか…と、正直、ちょっと気が遠くなったりもしました。嗚呼、走り出しで暴走しなくて正解だったと…。

 以降、スタート時の興奮がすっかり潜んでしまい、そこからは「しんどい」気持ちとの戦いでした。「早くゴールしてぇ…。」その思いを胸に、ひたすら走り続けます。朝の陽射しを浴びながら、徐々にスピードを上げて、市民高架を下りると、後は一気にゴールへ、と言いたいところですが、最後に地下道に潜り、地上に出てくる上りの箇所で一気にスピードダウンしてしまいました。やはり上り坂はキツいのです。足がつりそうになりながらも、上りきった地点で、今度こそラストスパート、そのままフィニッシュしました。結果は2時間7分でしたが、タイムよりも初のハーフマラソンを完走したということ、また辛さを乗り越えた末のゴールに、言いようのない快さを覚えました。

 あの快感をもう一度!という訳で、2月の「至善公園10キロレース(台北市)」に早速申し込んだ単純な私。もちろん、今はほぼ毎日練習しています(呆れますね)。軽い気持ちで申し込んだ今回の台北マラソンがきっかけで、こんなことになるなんて。また、メールが送られてこなければ参加していなかったかもしれません。
一緒に走った皆さんに感謝しつつ、マラソンが新たな趣味となりそうな2009年の始まりとなりました。


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